
◆2005年11月20日 新型インフルエンザ治療薬:タミフル備蓄率0.15%
新型インフルエンザ治療薬:タミフル備蓄率0.15% 【MSN-Mainichi INTERACTIVE】
新型インフルエンザの治療薬として有効とされる「タミフル」の備蓄量が18日現在、栃木県を除く46都道府県で計1万5800人分しかないことが毎日新聞の全国調査で分かった。政府の行動計画は、国と都道府県に各1050万人分の備蓄目標を設定しており、都道府県側の達成率は0.15%。厚生労働省は今月中に約7万2000人分を備蓄する見通しで、国側は来年度中の実現を目指すが、財源確保や購入方法などで不安感が強い都道府県側は、「国の助成がなければ達成は不可能」との声が大勢だ。厚労省は今月中にも支援策を明らかにする方針だが、その内容次第では備蓄計画が「机上の空論」になる恐れもある。
◇本紙調査…政府目標は達成困難 46都道府県は「財源が不足」
タミフルの備蓄を巡っては、厚労省は昨年末ごろから都道府県に対し、新型インフルエンザ対策として、人口比に応じて計440万人分(1人分を1日2錠の割合で3日分と計算)の備蓄を要請していた。
しかし、購入財源や方法などをすべて丸投げしたため、「国の責任において確保や備蓄を行うべきだ」(岡山県)「備蓄は本来は国の業務。県が負担する場合は財政支援をしてほしい」(埼玉県)などの要望が出されており、今回の全国調査でも明らかなように、ほとんど進んでいない。
そんな中、厚労省が今月14日に公表した「新型インフルエンザ対策行動計画」では、都道府県の備蓄目標が計1050万人分(数百億円相当)に引き上げられた。さらに1人分を3日分から5日分へと、国際水準と同一に設定し直したため、金額の負担は事実上約4倍になった。タミフルの薬価は1錠約363円。
この行動計画に対し、「備蓄目標を増やした理屈も調達のめども分からない。唐突な上、不明な点が多くて対応できない」(北海道)「都道府県が各自で備蓄することになると、自治体間でタミフルの奪い合いが起きないか心配」(新潟県)「タミフルの輸入量を増やさないと地方まで回らない」(三重県)「県ごとにばらばらでいいのか。国内生産など、国が確保の方法を考えるべきではないか」(福岡県)など、不安や疑問を訴える自治体は多い。
川崎二郎厚労相は19日、津市内で会見し、都道府県が財源負担を要望していることに対し、「補正予算も含め、財政当局と話し合う」として、支援策に前向きな考えを示した。厚労省結核感染症課も「タミフルの調達方法や製造元との交渉なども地方にすべてを任せず、国としても協力していく」と話している。【まとめ・玉木達也】
毎日新聞 2005年11月20日 3時00分 (最終更新時間 11月20日 8時08分)
◇「タミフル」備蓄量
(18日現在)
北海道 ゼロ
青森県 300人分
岩手県 100人分
宮城県 500人分
秋田県 25人分
山形県 180人分
福島県 ゼロ
茨城県 1000人分
栃木県 回答保留
群馬県 1200人分
埼玉県 300人分
千葉県 ゼロ
東京都 400人分
神奈川県 ゼロ
新潟県 300人分
富山県 6000人分
石川県 55人分
福井県 ゼロ
山梨県 ゼロ
長野県 390人分
岐阜県 ゼロ
静岡県 ゼロ
愛知県 ゼロ
三重県 200人分
滋賀県 ゼロ
京都府 520人分
大阪府 600人分
兵庫県 ゼロ
奈良県 100人分
和歌山県 ゼロ
鳥取県 60人分
島根県 ゼロ
岡山県 ゼロ
広島県 1550人分
山口県 500人分
徳島県 ゼロ
香川県 300人分
愛媛県 100人分
高知県 300人分
福岡県 ゼロ
佐賀県 ゼロ
長崎県 60人分
熊本県 300人分
大分県 200人分
宮崎県 ゼロ
鹿児島県 100人分
沖縄県 160人分
計 1万5800人分
※毎日新聞社調べ。備蓄は原則買い上げで、目的は鳥インフルエンザ対策なども一部含む。


