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2005年11月07日 嶌信彦の「眼」 人口減少時代で日本は衰弱するか

嶌信彦の「眼」 人口減少時代で日本は衰弱するか 【MSN-Mainichi INTERACTIVE】

◇少子化対策に本腰を!

 日本における「人口減少時代」が遂に現実となってやってきた。日本の人口減が始まるのは、2006年か2007年からと予測されていたが、予測より早く何と、ことし上半期(2005年1〜6月)の半年間に3万1,034人減ったことがわかったのだ。

 ことし8月末に厚生労働省がまとめた人口動態統計によると1〜6月の死亡数は56万8,671人、赤ちゃんの出生数は53万7,637人で差引き3万1,034人が減った。これまでも1カ月単位では、死亡数が出生数を上回ったことはあったものの、半年単位では初めてのことらしい。例年、下期は回復する傾向にあるので、2005年全体では微妙だが、予断を許さないという。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2006年の1億2,774万人をピークとし、2007年から減り始め、2050年には1億59万人になると推測されていた。しかし、日本の出生率は政府や研究所の予測より毎年下回っているため、人口減少も早く始まったとみる向きが強く、2050年の人口を9,200万人と予測するシンクタンクもある。人口は1人の女性が一生に平均2人以上の子供を産まないと減ることになるが、2003年に出生率は1.3を割り込み、2004年もさらに最低を更新した。また男性人口はことし3月に初めて減少に転じたほか、35都道府県で人口減少となっていることもわかっている。

 こうした人口減少は、先進国に生じやすい傾向だが、人口減少は労働力不足、消費市場縮小、少子高齢化による財政への圧迫、若者文化の衰退。さらには国力そのものの衰弱につながり、"日本の危機"とみなす論調が主流だ。ただ、なかには「欧州先進国で人口が1億人を超えている国はないし、最近日本の歴史の中で、庶民が豊かで自然循環を取り入れて文化も賑わった江戸時代中期の人口は3,000万人だった。人口が減っても生産性を上げれば国力が弱まるわけではなく、むしろ土地や住宅が余り、日本人がもっと余裕ある生活ができるのではないか」と主張する人々もいる。

 一体、人口減少時代は、企業経営や政府の政策運営、あるいはわれわれのライフスタイル、文化、さらには国際社会における地位などにどんな影響を及ぼすのだろうか。抽象論だけを述べたてても迫力がないので、まず"気になる具体的データ"を並べてみよう。

◇人口減少時代の気になるデータ

◆日本の人口変動史

 15世紀頃まで約1,000万人。16世紀は1,500〜1,700万人。17世紀〜江戸幕末3,000万人、明治以降急増し終戦(1945)までに7,500万人のピークをつけたことがある。戦後から現在までさらに増え続け1億2,700万人。今後は2050年に9,200万人、2099年に4,500万人と推定されている。

◆2007年問題

 1947年〜49年生まれのいわゆる“団塊の世代(ベビーブーマー)”が、2007年から順次退職時期を迎え、その数は500万人〜700万人という。一方、少子化の影響で新規流入労働力は半分以下。2030年の労働力人口は現在より1,000万人少ない5,600万人と推計される。

◆地方人口

 全国85都市圏のうち、2030年には74カ所で人口減。それ以外の非都市圏人口はすべて減り、平均で26%減。たとえば島根県の場合、1955年の92万人が現在74万人で住宅着工件数はここ20年で30%減。2030年の非都市圏は、今の予算システムだと公共交通の維持は困難と予測されている。

◆少子高齢化

 65歳以上を高齢者と定義したのはWHO(世界保健機構)。ただし、その理由ははっきりせず。2004年の内閣府調査では65才以上の3分の2は「自分の健康は普通以上」「まだ仕事がしたいが20%」と回答。高齢者の定義として世論調査などで「70才以上が50%」「自分の身体の自由がきかないと意識した年齢とした人が50%」という主張が目立つ。岐阜県では75歳以上を高齢者、65〜75才を岐阜県壮年と呼んだ(梶原前知事)。

◆平均寿命

 江戸時代は30代後半(ただし50歳を超えた人は平均20年生きた)、大正期40代前半、1947年に男女とも50歳を超える。その後、男性は1986年に75歳、女性は1984年に80歳を超えた。

◆少子化

 小中高校の廃校はここ10年で2,000校(多くは高齢者施設に活用)。鯉のぼりの生産日本一の埼玉県の町ではここ10年で50万匹から30万匹に。子供の鯉がかつては平均3匹だったのに、今は1匹が多くなったため。文具メーカーは10年で半減。

◆少子・高齢化対策など

 戦時中の日本は「産めよ増やせよ」を奨励し、夫婦で5人を目標。10人以上は表彰。アメリカの出生率2.01(白人は1.83)。2050年に移民も入れ4億人に。フランスは10年間で出生率が1.6から1.9に上昇。24種類の子育て支援。働く母親の休業補償などが奏功。北欧諸国、オーストラリアなども新生児、乳幼児に手厚い保護。米国企業の多くは「女性に仕事か育児かを迫る企業は生き残れない。子育ての最高の資金援助は母親に仕事をみつけること」といった思想が主流に。日本では働く女性の60%が出産前に退社。

◆高齢者の貯蓄と消費

 50歳以上の消費は2000年の86兆円が2015年には127兆円へ。65歳以上だと2000年の35兆円が60兆円に。セブン・イレブンの売上げは、20歳未満が1989年に31%だったのに、2004年は12%に減少、逆に50歳以上は1989年の10%が2004年は22%へ。団塊世代が受け取る退職金は50兆円。日本人の貯蓄率は90年代までは2ケタ。2001年6.7%、2003年7.8%と縮小。

◆欧州先進国の人口

 日本とほぼ同じ面積のドイツは8,200万人、日本より大きいフランスは6,000万人、スペインは4,200万人、日本の3分の2の国土をもつイギリスは5,900万人、イタリアは5,800万人。

◆女性労働、フリーター

 日本の女性労働比率は41.2%(但し給与は男の100に対し67.6)フリーター200万人、ニート70万人。アメリカでは女性の大学院卒が男性を上回ったほか、管理職の約半分が女性に。

◇片寄りすぎる高齢者保護?

 このほかにも様々なデータがあるものの、日本で"人口減少時代の危機"が急速に言われるようになった背景には、少子・高齢化による老後の年金など社会保障不安や2007年問題などにみられる労働力人口、少子化と女性労働に対する政府と企業の政策努力不足などがあげられるようだ。

 世論調査によると「人口減少に不安」を感じている人は80%にのぼり、その大半は社会保障の破綻(74%)、労働力不足(71%)、経済の停滞(63%)に集中している。また人口減少に対する方策としては子育て支援61%、女性の就労機会拡大(80%)企業の支援(51%)などが目立つ。

 日本政府の施策はこれまで欧米に比べ圧倒的に高齢者対策が多く、少子化対策との比率は10対1以上だという。人口減少時代においても、定年延長や女性労働力の拡大、技術開発、外国人労働力の活用などで経済停滞は防ぐことができる。財政諮問会議の試算によると、2030年に人口が1,000万人減った場合に実質GDPを1.5%の成長に保つためには、1人当たりの生産性を2%高めればよいという。現在より2%の付加価値を高めることはさほどむずかしくないようにもみえるが、その時代の業態は製造業25%、非製造業75%という状態らしい。製造業は機械化が進んでいるので、要は非製造業の雇用の受け皿と生産性向上ということになるわけだ。

 それにしても、日本の面積に対応した適正な人口規模というものがあるのか、人口減少が日本を衰弱させるとすれば、今後は少子化対策に本腰を入れることが重要だろう。フランス、北欧、アメリカなどの少子化対策、女性労働力問題などをもっと調べるべきではないか。[TSR情報10月31日号]

 2005年11月7日





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