
◆2005年12月02日 おしゃぶりは程々に、歯並び乱れる恐れ
おしゃぶりは程々に、歯並び乱れる恐れ 【読売新聞】
メーカーは注意表示を検討
乳幼児のおしゃぶりについて、一日中口に入れたままなど誤った使い方が見られるため、商品に注意表示を盛り込む検討を育児用品会社が進めている。
長時間使うと歯並びが悪くなる恐れもあると専門家が指摘してきたことなどを受け、「あごや口の発達を促す」など長所のみを強調してきた表示が見直されることになりそうだ。
国内で販売されているおしゃぶりは、生後ゼロか月から1歳前後の赤ちゃんの月齢に応じて使い分けるよう作られている。ピジョン(東京)は主に乳幼児期に口を閉じて鼻で呼吸する習慣を付けるため、またコンビ(同)は鼻呼吸促進のほか、あごの幅を広げ歯の発育をサポートする、などと説明している。
ところが、実際には、子どもを静かにさせる目的で使われていることが多い。インターネットサイト「コンビタウン」(http://www.combibaby.com)の母親調査では、「寝かしつけの時」(36%)や「外出先でぐずった時」(24%)に使われている割合が高かった。
育児ストレスの軽減という利点もある一方で、極端な使い方によるマイナス面も報告されている。東京都多摩市にある亀山歯科医院院長の亀山孝将さんによると、歯並びの乱れについての相談事例が増えており、前歯の上と下が開いてしまう「開咬(かいこう)」が見られた幼児約40人のいずれも、乳児期からおしゃぶりを長時間・長期間にわたって使用していた。
東京歯科大の米津卓郎講師の調査でも、おしゃぶりを常用している子どもに開咬が現れる率は1歳半で31%、2歳で63%、3歳で78%と、使用しない子どもより高かった。亀山さんは「長時間使用が子どもの歯並びに影響を及ぼすことがある。何らかの注意表示が必要では」と話す。
NPO法人「食品と暮らしの安全基金」(東京)は今年8月、育児用品会社3社に対して、おしゃぶりのパッケージに注意表示を盛り込む予定の有無などについて、質問状を送付した。コンビは「今年度中に何らかの形で使用上の注意を商品に盛り込みたい」、ピジョンも「より正しい情報を伝える必要はある」としている。
これまでおしゃぶりには「何歳まで」といった年齢の制限や、1日の使用時間の限度などは表示されていなかった。だが「極端な使い方をするケースもある」(コンビ)「歯並びに影響が出たという報告もある」(ピジョン)など、誤った使い方についての認識を、企業としても持ち始めているという。
今年2月には、小児科医や小児歯科医で作る委員会が、長時間使うと歯のかみ合わせを悪くする、親の言葉かけなどコミュニケーションの機会が減るなどとして「1歳前後で常用しないようにし、遅くとも2歳半までにやめましょう」という見解をまとめている。東京歯科保険医協会も、歯への影響を検討するため、この10月、「おしゃぶり問題懇話会」を設置した。
(2005年12月2日 読売新聞)


